見逃せない工場排水の異常
導入しやすい、早期発見のためのIoT水質監視システム
令和2年、国内の一級水系で発生した水質事故の数は798件。(※1)
なんと毎日2件以上もの事故が起こっている計算です。水質事故とは油類や化学物資などを含む水が排水等に混ざって流出してしまうことなどを指し、環境汚染や健康被害発生による信頼低下や賠償リスクは企業にとって大きな問題です。そのためほとんどの事業者は法令を遵守し、必要十分な対応と厳格な管理を行っています。しかし、それでも発生してしまう水質事故に対してどのような対処ができるでしょうか。
一秒を争う工場排水処理の異常検知
処理不十分の水が工場から放流されてしまった場合、あるいはその危険がある場合、どれだけ素早く異常に気づけるか。そして正しい情報に基づいて適切な対応を取れるか。まさに一秒を争う対応が迫られます。そのためリアルタイムで水質変化の傾向を把握することが重要とされてきました。例えば、分析結果を得られるのに時間がかかる設備選定や、運用をしてしまっていては手遅れとなってしまいます。
しかし水質監視ポイントの増設も管理者の増員もコストが高く、現実的なオプションとは言えません。
コストパフォーマンスを追求したオプテックスの濁度計
オプテックスが得意とする赤外線のセンシング技術を採用した濁度計(だくどけい)は、24時間連続監視し水質異常を即座に知らせます。民間工場へのヒアリングにより、現場の排水測定ニーズに応えるべく設計・開発。従来の水質測定機器と比べ、大幅なコストの削減に成功しました。
手のひらサイズのコンパクト設計は設置場所を選ばず、投げ込み式で取り付けも簡単。濁度計による水質監視ポイントを容易に、大幅に増やすことができます。
「壊れにくい」「メンテしやすい」機能を盛り込んでいることも大きな特徴です。濁度チェッカーには測定面を定期的に自動で掃除するワイパーがついており、「メンテナンスが非常に楽になった」と高い評価を受けています。
- 工場用水の取水監視
取水監視を行うことで、急激な濁度変化によるトラブルを未然に防止できます。 - 製造ラインごとの濁度監視
排水処理に異常が発生した際、原因箇所を容易に特定できます。
一次処理施設を監視することで、最終処理施設のより安定した運転が実現できます。 - 冷却塔の濁度監視
薬品洗浄後の濁度監視濃度に応じてブロー水量の調節や、ろ過装置の稼働制御が可能です。 - 雨水ピット
高濃度の初期雨水のみを処理施設に送り、処理が必要なくなった時点で河川放流するためのバルブ制御が可能です。 - 工程以外の排水の監視
製造工程だけではなく、浄化槽やその他の排水に監視工場を拡大し、排水のトータル管理が実現できます。 - 凝集剤の制御
排水の正確な濃度を把握することで、適量の薬剤が投入でき、安定した水質が得られます。 - 汚泥界面のチェック
沈殿槽では汚泥界面の監視が可能です。
2~3段階に分けて設置すればより正確な界面状態を知ることができます。 - 汚泥の越流監視
汚泥が流れ出すのを監視し、排水を停止したり、処理原水に戻したりすることができます。 - 流水の監視
河川に放流する処理水の最終監視が行えます。
トータルな水質監視をIoTで遠隔監視
オプテックスでは濁度計以外にも、SS(浮遊懸濁物質)、DO(溶存酸素)、pHなど、幅広く測定機器を揃えており、さまざまな水質監視システムへの対応が可能です。
収集した水質データは、工場内だけでなく遠隔地からも監視することができます。
中でもオプテックスのIoT無線通信を使ったシステム運用なら、シンプルかつ低コストで水質管理のDX化を実現。
ゲートウェイに接続するだけでクラウドサーバーへデータを自動送信し、複数の工場排水を一元的に監視できます。
従来は監視が難しかった遠隔地の水質監視など、今後あらゆる水質管理現場での広がりが期待されます。
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よくあるご質問
- 濁度とは何ですか? SSとの違いは?
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濁度とは上水・下水処理場や河川・工場排水の「濁りの程度」を示す指標の一つです。
代表的な基準(標準)は
『ポリスチレン濁度標準:上水道測定などに多く用いられている濁度標準で測定単位はmg/Lでは無ぐ度゛になります』
『カオリン濁度標準:精製水1Lの中に1mgのカオリンが含まれている時の濁りをカオリン濁度1と表します。単位はmg/Lとなります。』
『ホルマジン濁度標準:JISに規定されたホルマジン溶液の事で単位はホルマジン度となります。』
よって、基準(標準)の種類や測定方法によって測定結果は異なります。
一方、SSはSuspended Solids(浮遊懸濁物質)の略であり、工場排水などで使用される指標の一つです。水の中にある、解けていない濁りの原因となる浮遊懸濁物質の総量をSS量と言います。 - 濁度とSSには相関性があるのですか?
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濁度とSSは、それぞれの基準(標準)が違います。濁度の値が高くなればSSの値も高くなってくるといった測定結果の傾向という面では同じ様な結果が出る場合も多くあり、二つの指標は比較的似ていると考えられています。
- 水質測定センサー以外の機種で、薬剤の残量管理などにも使用できますか?
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アナログ4-20mA出力信号を保有する機器ならIoT無線ユニットを用意していますので、薬剤の残量監視も水質管理と一括管理可能です。
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