環境管理部門の課題に応える

沈殿槽の水質をIoTで遠隔監視

沈殿槽

製造業で環境保護と持続可能な製造プロセスを両立するには、排水処理設備が不可欠です。その中でも、「沈殿槽」は排水の中の浮遊物や汚染物質を分離し、クリーンな水にしてから再利用または排出できるようにする重要な役割を果たしています。しかし、人手不足の課題を抱える管理部門は、沈殿槽の水質を効率的に管理する必要に迫られています。

この記事では、IoT技術を活用して沈殿槽の水質をリアルタイムでモニタリングし、水質異常時に迅速、的確な対応がとれるソリューションをご紹介します。

沈殿槽の水質管理における主な課題

  • 水質変動の影響
    製造工程や原料の変化により沈殿槽内の水質が変動することがあり、浄化処理効率や品質に影響を及ぼします。
  • 水質急変の検知困難性
    定期的に巡回して手動で水質を測定する方法では、沈殿槽内の水質をリアルタイムで監視することができず、水質変動が急に発生した場合、対応が遅れる可能性があります。
  • 正確なデータ収集
    水質データを正確に収集するためには、定期的なサンプリングと分析が必要です。日々の水質トレンド管理を実行することで、公定法などで定められている手動測定時のヒューマンエラーを未然に防ぐことができます。
  • 法令順守と自然環境への影響
    水質管理の不備から法令で定められた基準を超える排水を河川等に放流すると、環境への負荷を増大させ、社会的責任を追及されることになります。
沈殿槽の水質を手管理で測定する人

沈殿槽で重要な水質測定項目

  • 濁度
    濁度が増加すると沈殿槽の処理効率に影響を及ぼす可能性があります。
  • 浮遊懸濁物質量 (SS)
    水質汚濁防止法で排水中の懸濁物質の許容量が定められているため、排水基準を満たしているかを確認する必要があります。

    「濁度」「浮遊懸濁物質量 (SS)」の用語解説はこちら >
濁度の比較写真

いつでも、どこからでも沈殿槽の水質を監視
WATER it データマネジメントサービス

WATER it データマネジメントサービス・システムイメージ
WATER it データマネジメントサービス・システムイメージ図

WATER it データマネジメントサービス(以下、DMS)とは、水質管理業務をスマート化するためのセンシングサービスです。
センサーで測定したデータはゲートウェイを通じてクラウドに保存され、
パソコンやスマートフォンからいつでもどこでも水の状態を把握することができます。
DMSは、沈殿槽の水質管理をスマートかつ効率的に行うための最適なソリューションです。

沈殿槽内の水質を自動で連続測定

水質センサーを導入すれば、沈殿槽内の水質を人手に頼らず、自動で連続測定することが可能となります。
水質や汚泥界面の変動データに応じて薬品投入を最適化し、コスト削減や処理能力の向上を実現。
また、法令基準を満たさない排水を事前に検知し、水質事故を防止できます。

流入口と流出口での測定

  • 流入口
    沈殿槽に流入する水質をリアルタイムでモニタリングでき、原料の変化や外部からの影響を早期に検知し、適切な対応が可能になります。
  • 流出口
    沈殿槽での処理効率や処理水の品質を確認し、排出基準に満たない時は排水を止めることができます。
沈殿槽での流入口と流出口の水質測定イメージ

水面から複数段階の深さ

2~3段階に分けて濁度計・SS計を設置することで、汚泥界面の監視や処理効率を把握することができます。

  • 表層
    流入水の品質を評価し、処理効率を向上させるための情報を得ることができます。凝集剤の投入量や撹拌時間の調整が可能です。
  • 中間層
    表層・底層と中間層と比較することで、濁度やSS量の分布を詳細に把握できます。処理効率を評価し、処理プロセスの最適化に役立ちます。
  • 底層
    沈殿物の蓄積や、底部での化学反応が水質にどのような影響を及ぼしているかを理解するのに役立ちます。
    底部の清掃やメンテナンスのスケジュールを計画しやすくなります。
沈殿槽の表層、中間層、底層での水質測定イメージ

水質データの自動収集と省人化

水質センサーから得られるデータは自動でクラウドに送信されるため、巡回による手動での水質測定が不要です。
これにより、ヒューマンエラーが削減され、業務の確実性が向上し、省人化が実現します。

WATER it データマネジメントサービス パソコン・スマトフォンの画面

アラーム発生通知で迅速に対応

あらかじめ設定した水質の上限値や下限値を検出した場合、パソコンやスマートフォンにアラートが送信され、適切な対応を迅速に行うことが可能となります。

WATER it データマネジメントサービスのアラーム通知メールイメージ

レポート機能

測定データを自動的に集計し、日報、週報、月報として出力できるため、報告書作成時間が削減されます。
さらに、コメント欄に日常管理業務の実施内容を記載できます。
レポートはPDFやCSV形式でダウンロード可能です。

WATER it データマネジメントサービスのレポート画面イメージ

まとめ

DMSを活用した沈殿槽の水質管理は、環境に優しい製造プロセスを実現するという環境管理部門の目標を達成の一環として有効です。
自動化されたデータ収集とリアルタイムのモニタリングにより、より効率的な水質管理が可能となります。

製造現場でパソコン画面を見ている担当者たち

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