センサーで切り拓く脱炭素社会

オプテックスの長期目標

気候変動は各地域で進行しており、今後さらに深刻化することが予測されています。

オプテックスは次世代のために、持続可能な社会の実現に取り組むと共に、TCFD※ガイダンスを踏まえた上で様々な外部シナリオを使用して分析を行い、事業における気候関連のリスクと機会から戦略面での重大な影響を特定しました。

[リスクと機会]
●炭素税、市場規制の強化による財務的コストの増大
●異常気象の増加によって製造工場が洪水の危険にさらされた場合の事業影響
●CO2削減活動及び気候関連情報開示が不十分と判断された場合の事業影響
●低炭素や物理リスク対策に寄与する製品や技術の貢献影響

そこで「2030年までに2018年度比CO2排出量30%以上削減する」という長期目標を設定し、中長期の経営計画に反映いたしました。確実な推進を図るため、最高経営責任者直轄のプロジェクトを発足し、持続可能な未来に必要な行動と投資を活発化させています。
 
オプテックスはお客様先での低炭素化やエネルギー効率改善につながる製品(他者貢献製品)を数多く提供しております。「削減貢献量を増やすこと」と「事業運営で排出するCO2を減らすこと」の両立を図ることが重要だと考えており、「他者貢献量を全排出量の4倍以上」とするという目標もコミットメントしています。

  • 「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」

オプテックスの脱炭素活動の歩み

オプテックスは、長期に渡りCO2削減による低炭素化社会への取り組みを積極的に行ってきました。ひとつは、すべての新製品開発で価値を起点に効率と法規制を意識した環境アセスメントを実施すること、もうひとつは、事業活動全般(ライフサイクル)におけるCO2削減を積極的に行うことです。

2015年からは数値目標を明らかにし、時代に則した取り組みを推進してきました。そして今、三段階目に入ったオプテックスの脱炭素活動。品質管理本部 本部長 前川と共にこれまでの歩みと展望をご紹介します。

2015年の目標。製品全体の環境効率を2018年に1.25倍にする

「最初に掲げた数値目標は『「環境効率(売上/ライフCO2):2015」を2018年に1.25倍にする』(中期目標)というものでした。
環境アセスメントでは「新製品の9割が旧機種よりも環境効率が改善」されていることが分かり、中期目標を1年前倒しで達成することができました。

ただ、事業活動におけるCO2削減はいわば雑巾絞りの面があり、加えて要求や規制拡大の面もあり「環境効率」だけを軸とした脱炭素活動だけではいずれ限界を迎えることが予想できました。

そこで次のアプローチとして、提供する製品やサービスを通じたCO2削減効果の貢献量を導き出す『貢献量評価』にも取り組み始めました。オプテックス社内にとどまらず、事業活動を通じて低炭素社会への貢献度を拡大させていく、これはお客様への価値提供につながる内容ですから、雑巾絞りのような限界はありません」。

品質管理本部 本部長 前川 篤志
2018年の目標。製品を通じた貢献倍率を2021年に4倍にする

二段階目の数値目標は「貢献倍率」を掲げました。これはオプテックスのセンサーを採用いただいた先で、どれだけのCO2削減に貢献したのかを計るものです。実際に貢献量評価に基づいて試算した結果が以下です。
2017年の貢献倍率は約3倍であったことから、2021年を目途に4倍にすることを掲げ目標通り達成することができました。また2023年時点でも維持しています。

ライフCO2とCO2削減貢献量を示した図

「貢献量評価に着目した理由は、センサーが持つ特長からでした。センサーはシステムに組み込むことでシステムの能力や効率を高めると同時に、システム全体の負荷を抑制するのも大きな特長なのです。しかも多くの場合、CO2の削減に貢献する使われ方がなされています」。

CO2削減手法についてのプレゼンテーション
2022年の目標を2024年にアップデート。製品全体のCO2削減効果の割合を2025年に25%にする

2022年、オプテックスは新たにTCFD、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が推奨する、気候変動関連リスク、及び機会に関する項目開示について賛同。CDP(気候変動などの環境分野に取り組む国際NGO)のプログラムに基づき、気候変動関連の情報を開示することを決めました。
「自社排出や他社貢献活動などを総合的に管理するとともに、積極的な削減活動を実施します。具体的には2018年に17.5%だったCO2削減貢献ができる製品・ソリューションの売上高比率を、2025年を目途に25%にすることを目標として定めました。2022年時点では22.5%を目標としていましたが、よりスピードを高めるために上方修正しました。」

2022年以降の詳しい取り組みについての情報は、以下の特設ページよりご覧いただけます。

脱炭素化社会に向けた課題にセンサーが役立つ理由

数値目標を設定する以前から、オプテックスはこれまでもセンサーを通じて低炭素化社会づくりに大きく関わっていました。なぜなら、以下の3つのセンサーの強みは、低炭素化社会を形成するうえで最適なソリューションを生み出せるからです。

1)そもそもエコなセンサー

1)そもそもエコなセンサー

センサーの特徴は低消費電力。例えばオプテックス主力製品である防犯センサーの消費電流はマイクロアンペア(㎂)です。
このため、外部電源に頼らずバッテリーだけで長年に渡って動かせる製品もあります。現在、主力の屋外防犯センサーはバッテリータイプが全製品の6割を占めています。

2)センサーはスタンバイをつくり出せる

2)センサーはスタンバイをつくり出せる

センサーはシステムに組み込むことで威力を発揮します。例えば、電球を白熱灯からLEDに変えると電力は約半分になりますが、これにセンサーを組み込めば必要なときだけ光るシステムが構築でき、電力を約1/10まで抑えることができます。
EUでは、エネルギー関連製品にエコデザイン指令と呼ばれるEuP指令(Energy-using Products)が適用されており、“スタンバイモードを設ける"こと、“待機(スタンバイ)中の電力消費を1W未満とする"ことが義務付けられています。オプテックスのセンサー製品の多くは、この要請にも応えられると考えています。

3)エネルギー消費の大きなポイントで貢献できる

3)エネルギー消費の大きなポイントで貢献できる

建物分野のエネルギー消費を抑えるZEB (ゼロ・エネルギー・ビル)の動きも活発です。エネルギー効率の良し悪しによって売買・賃貸の額が変動するなど、建物が格付けさている状況です。すでに日本国内でも、2014年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」において、政策目標が設定されています。
オプテックスは、照明制御センサーやバッテリーレス・スイッチなどの製品、さらには遠隔化、自動化、IoT化といったさまざまな切り口で建物のエネルギー効率の向上に貢献してきました。

オフィスビルのエネルギー消費のうち、空調が占める割合は6割を超えます。そのエネルギーロスの大部分は、じつは不必要なドアの開閉(いわゆる「無駄開き」)によるものと言われています。
このようなエネルギーロスへの対策として、無駄開き抑制自動ドアセンサー「eスムースセンサー」は、人の進む方向を見極めることで無駄な自動ドアの開閉を抑制することができます。これにより建物の空調効率を大幅に向上させ、CO2の排出を削減することができます。
「しが発低炭素ブランド」の第1回 認定製品の1つとして、オプテックスの無駄開き抑制自動ドアセンサー「eスムースセンサー」が選ばれました。

「しが発低炭素ブランド」とは
滋賀県では、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減と経済・社会の発展が調和した持続可能な「低炭素社会づくり」を進めており、その実現に向けた取組みの一環として「しが発低炭素ブランド」認定制度が2018年(平成30年)に発足されました。
「しが発低炭素ブランド」では、他者の温室効果ガス削減に貢献する優れた省エネ製品やサービスにより削減されたCO2量を、定量的に評価する「貢献量評価」に基づいて評価認定しています。

貢献量評価に基づく「しが発低炭素ブランド」

しが発低炭素ブランド 第1回指定認定「eスムースセンサー」

センサーを通じて実現できるさまざまな社会貢献

オプテックスのセンサーは、脱炭素化だけではなく、より広範な社会貢献につながるポテンシャルを持っており、SDGs (持続可能な開発目標) で取り上げられた課題の多くに符合します。
例えば、水質センサーで『3.人々に保健と福祉を』『6.安全な水とトイレを世界中に』、セキュリティセンサーや自動ドアセンサーで『11.住み続けられるまちづくりを』。
また、遠隔化、自動化、IoT、バッテリー化やバッテリーレス化など、省力化・効率化を通して『8.働きがいも経済成長も』意識しながら『9.産業と技術革新の基盤をつくろう』としています。
さらに生み出すだけではなく、先の貢献量を意識した活動は『12.つくる責任つかう責任』につながるととらえています。
このようにオプテックスは、今後もさまざまな局面で貢献できると考えています。

オプテックスのSDGsへの貢献

オプテックスは社会的な課題や持続可能な世界の実現に向け、自社の強みであるセンシングテクノロジーを活用し、お客様とともにグローバルな成長とビジネスの発展にチャレンジしていきます。





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