OPTEXの原点 赤外線

赤外線技術で自動ドアセンサーのパイオニアに

約40年前、当時軍事用途が中心だった遠赤外線を用いて、当社は自動ドアセンサーを世界で初めて製品化しました。
赤外線はいわば、オプテックスの原点といえます。

赤外線とは?

1800年、イギリスの天文学者だったW.ハーシェルは太陽光をプリズムに透過させて分解し、可視光のスペクトルの赤色光を越えた位置に温度計を置く実験を行ないました。この実験で温度が上昇したことから、赤色光の先にも目に見えない光が存在すると結論づけ、赤外線の存在が明らかになりました。

赤外線は人に身近な電磁波の一種

赤外線は、電磁波の中に含まれており、この電磁波は波長に応じて分類されています。電磁波の種類には、たとえば電子レンジで使用されるマイクロ波、赤外線、ラジオ・テレビの電波、人の目に見える可視光線、紫外線、レントゲンのX線などがあります。

赤外線の説明図

近赤外線

近赤外線は可視光(赤)に最も近い電磁波です。可視光線に近い性質を持つため「見えないが、可視光に似た性質の光」として応用されています。一般には、携帯電話などの赤外線通信、家電のリモコンなどに使われています。

遠赤外線

遠赤外線はマイクロ波に最も近い電磁波です。赤外線は物体から必ず放射されていることから熱線としての性質を持っており、高い温度の物体ほど赤外線を強く放射しています。アウトドアで炭火焼が楽しめるのも、遠赤外線のおかげなのです。

コラム「オプテックスの成功と失敗」

1980年、世界初の遠赤外線式自動ドアセンサーを開発

ベンチャーの熱い志を携えたオプテックスは、1980年、それまでゴムマットの足踏み式が主流だった自動ドア業界に、遠赤外線センサーによる自動ドアセンサーというセンセーショナルな製品を投入。わずか1週間で設計され、数カ月で開発を達成。世界に先駆けたこの方式は、まさに熱意の賜物であった。創業3年目には、メンテナンスや施工対応力で他社の追従を許さず、自動ドアセンサーで早くもトップシェアに上り詰めた。

失敗が貴重な財産に

しかし、しばらくすると苦情が相次いだ。「ドアが勝手に開いたり閉まったりする」。誤作動の原因がつかめない。技術者たちには焦りの色が出始めた。時は6月。長雨が続き、蒸し暑い中、汗をかいて走り回る営業マンたち。それを見て、ある技術者が気づいた。湿気だ。即座に高温多湿の環境を電子ジャーを使って再現。すると、センサーの心臓部に湿気が入り込んでいる…。海外から調達した部品が、日本の気象条件に耐えられなかったのだ。その後、この経験が貴重な財産となり、当社の製品は様々な設置環境下でテストを繰り返し、高い信頼性と安全性を実現するために、たゆまぬ努力を続けている。

世界初 遠赤外線式自動ドアセンサー