Smart Mobility コラム

車両検知センサーの仕組みとは?種類ごとの特徴と選び方を解説

車両検知センサーは、マイクロウェーブや地磁気、赤外線などの物理的な変化を捉えて車両の存在を認識する仕組みです。
従来のループコイル方式に加え、近年は路面の切削工事が不要な非埋設型のセンサーが普及し、設置の選択肢が広がっています。
本記事では、主な検知方式ごとの違い、屋外や屋内といった設置環境に応じた選び方、そして導入時のチェック項目を順に整理します。

目次

車両検知センサーとは

車両検知センサーがどのような役割を果たしているのか、基本的な用途と機能を整理します。

用途・機能

具体的な要点

使われている場所

駐車場の出入口、コインパーキングの車室、工場構内のゲート前など

検知後の動作

ゲートバーの開閉、満空サインの切り替え、発券機との連動など

どこで使われているのか

車両検知センサーは、商業施設やコインパーキングの駐車場、工場構内の出入口などで広く使われています。車両が特定のエリアに進入したこと、あるいは退出したことを正確に把握する必要がある場所が対象となります。
設置場所の制約や目的に応じて、路面に埋め込むタイプやポールに取り付けるタイプを使い分けるのが一般的です。

検知することによって何ができるのか

センサーが車両を検知することで、ゲートバーの自動開閉や満空表示の切り替えが可能になります。駐車券の発券機と連動させて車が近づいたときだけ発券ボタンを有効にしたり、車室に車が停まっている時間を計測したりする用途にも活用されることが多いです。
無人での正確な設備制御を実現し、駐車場の円滑な運営を支える重要な役割を担っています。

主な検知方式と特徴

センサーの検知方式は大きく2つに分かれ、それぞれ設置方法や仕組みが異なります。

検知方式

具体的な要点

埋設型(ループコイル方式)

路面を掘削して電線を埋め込み、金属物の接近による磁界の変化を捉える

非埋設型(マイクロウェーブ方式・地磁気など)

ポールや路面上に設置し、電波の反射や磁界の変化で車両を認識する

方式ごとの違い(埋設型/非埋設型)

検知方式は、地中にセンサーを埋め込む埋設型と、ポールや路面上、天井などに設置する非埋設型に大別されます。
埋設型の代表であるループコイル方式は、車両の金属部分が電線に近づいたときの磁界の変化を読み取る仕組みです。
一方で非埋設型は、原理ごとにさらに次のように分かれます。用途や検知したい状態(進入・通過・在車)によって選ぶ方式が変わるため、まずは違いを押さえておくことが重要です。

マイクロウェーブ方式(FMCW)

周波数変調連続波を使い、車両の進入・存在・離脱と在車状況までを検知する

マイクロウェーブ方式(ドップラー)

無変調連続波の反射を使い、動いている車両の進入を検知する

地磁気

センサー上に車両が来た際の地磁気量の変化を捉え、車室の在車を検知する

近赤外線反射方式

天井面から床面へ近赤外線を放射し、反射量の変化で車両の進入を検知する

赤外線遮断検知方式

投光した赤外線をビーム状の検知エリアとして構成し、遮光する車両を検知する

いずれも路面を切削せずに設置できるため、既存の舗装を傷めずに導入できる点が共通の利点です。

ループコイル方式の工事・保守面の課題

ループコイル式は検知精度が高い反面、路面を切断して電線を埋め込む大掛かりな工事が伴います。アスファルトの劣化や地盤沈下によって断線するリスクがあり、修理のたびに再度路面を掘り起こす手間がかかるケースもあります。また、工期が長引くため、稼働中の駐車場では営業停止期間が発生してしまう点も考慮が必要です。

設置環境による選び方

設置場所の環境によって、適した検知方式や注意すべきポイントが変わります。

設置環境の条件

具体的な要点

屋外・屋内の違い

屋外は風雨や雪の影響、屋内は天井高や周囲の金属物の影響を考慮する

誤検知の対策

センサーの検知範囲を適切に設定し、人と車を正確に判別できる方式を選ぶ

屋外・屋内で変わる条件

屋外に設置する場合は、雨や雪、強風といった天候の変化に左右されにくい検知方式を選ぶことが重要です。超音波方式などは風の影響を受けやすいため、屋外ではマイクロウェーブ方式や地磁気方式が採用される傾向があります。一方で屋内の場合は、天井の高さや近くに配置された鉄柱などの金属物が検知エリアに干渉しないかを事前に確認し、環境に適合するセンサーを選定します。

誤検知を防ぐポイント

誤検知を防ぐには、センサーの死角を把握し、設置角度や感度を正しく調整する設定作業が重要です。歩行者を車両と誤認すれば、ゲートの誤作動誤動作や事故につながる恐れがあります。そのため選定段階では、「人を検知せず車両のみを検知する機能(人キャンセル機能)」の有無をはじめ、実際の設置環境において安定した検知が行えるかを確認しておくことが重要です。特に人の往来が多い駐車場では、こうした判別性能の違いが運用開始後の誤動作やクレーム発生につながる場合があります。
製品を比較する際は、仕様書に記載された検知距離だけでなく、検知可能な車速の範囲や人キャンセル性能、実環境での検知精度なども含めて総合的に確認しましょう。性能や機能を正しく比較することで、設置後のトラブルを未然に防ぐことができます。

オプテックスの車両検知センサー

非埋設型で設置の手間を削減できる、オプテックスの車両検知センサーの特徴を解説します。

特徴・用途

具体的な要点

独自の検知方式

マイクロウェーブ方式(FMCW)や地磁気を活用し、非埋設で高精度な検知を実現

多彩な活用シーン

時間貸駐車場のゲート制御から、ロックレスパーキングの車室管理まで対応

検知方式の特徴と得意な設置環境

オプテックスは、駐車管制(車路管制)分野でループコイルに代わる非埋設型の車両検知センサーを展開しています。
ゲート式駐車場向けの「ViiK GateⅡ OVS-02GT(GR)」は、FMCW方式のマイクロウェーブを採用したポール・壁面設置型のセンサーです。検知距離1.5〜8.0m(0.5m刻みで設定)、検知可能車速は時速2〜35kmで、車両の進入・存在・離脱を検知します。埋設工事が不要なため、機器設置工期を従来の約1/3に短縮できます。また、人キャンセル機能により、人を検知せず車両のみを検知することも可能です(設置環境や設定内容により正しく動作しない場合があります)。

車室ごとの管理には、ViiK CellシリーズのOVS-01CL(J)Ⅱ(露出型)およびOVS-01CLB(J)Ⅱ(埋込型)がおすすめです。マイクロ波と超音波を組み合わせた高精度な車両検知により、車両の進入から在車、出庫までを確実に把握できます。人キャンセル機能を搭載しているため、人の往来が多い駐車場でも誤検知を低減でき、安定した運用を実現します。また、地中埋設工事が不要なため施工性にも優れ、ロックレス駐車場に最適な選択肢です。

用途別の活用例

非埋設型は設置の自由度が高く、さまざまな駐車場の課題解決に役立ちます。駐車場や工場構内のゲートでは、ポール・壁面設置型センサーにより、路面切削を伴わずに短工期で追加工事が可能です。コインパーキングでは、ロック板を使わない個別管理式(ロックレス)の車室検知にポール・壁面設置型センサーが導入され、メンテナンス負担の軽減と停めやすい環境づくりに貢献しています。なお、物流施設のトラックバースでの在車管理や出庫警報など、駐車場以外へ用途を広げられる点も非埋設型ならではの強みです。
なお、検知距離や設置高さの条件は、現場の路面やレイアウトによって変わります。オプテックスではカタログや仕様書をWebサイトで確認できるほか、設置環境に応じた機種選定の相談も可能です。現場条件を整理したうえで問い合わせいただければ、提案資料に添える技術的な根拠も固めやすくなります。

選定時のチェックリスト

自社の現場条件に合ったセンサーを選ぶための、具体的な確認項目を整理します。

確認項目

具体的な要点

現場の条件整理

路面の種類、電源確保の可否、ポールを立てるスペースの有無を確認する

コストの比較

機器代金や初期工事費だけでなく、将来の路面補修費やメンテナンス費も算入する

センサー導入前には、設置予定場所の路面状況と電源の位置を正確に把握します。アスファルトかコンクリートか、あるいは砂利敷きかによって、選べる方式が限られるケースも少なくありません。非埋設型をポールに取り付ける場合は、車両の通行を妨げず適切な検知角度を保てる位置に、ポールを立てるスペースがあるかを確認しておきましょう。
比較検討では、初期費用だけでなく稼働後の保守体制も含めた総コストで判断することが大切です。埋設型のループコイルは、設置に地面を掘り起こす作業が必要で、アスファルト舗装や配線を含む大掛かりな工事になります。
また、設置ミスや車両の圧力により電線が断線した場合は、再び地面を掘り返すこととなり、メンテナンスにも時間と費用を要します。
一方の非埋設型は、路面の切削や舗装復旧を伴わないぶん初期工事費を抑えやすく、断線による修繕費も発生しにくくなります。地面の切削が不要なため、設置や撤去時の粉じん・泥水も低減でき、環境負荷の軽減にもつながります。営業中の駐車場では車路を閉鎖せずに施工できるかが機会損失に直結するため、工事費・メンテナンス費・稼働停止期間を合算した中長期のトータルコストで比較すると、判断を誤りにくくなります。

まとめ

車両検知センサーの選定は、路面を掘削するループコイル方式から、ポール等に設置する非埋設型(マイクロウェーブ方式や地磁気など)への移行が進んでおり、設置環境に応じた方式の使い分けが重要になります。屋内外の環境や天候の影響、歩行者との誤検知リスクを考慮せずに導入を進めると、稼働後にゲートの誤動作や頻繁なメンテナンスが発生しかねません。特に営業中の駐車場や工場構内では、大掛かりな路面工事による長期間の稼働停止は事業への影響が大きく、工期短縮の要求が厳しくなるケースも珍しくありません。
オプテックスでは、路面カッターによる地面切削が不要なFMCWマイクロウェーブ方式の「ViiK GateⅡ OVS-02GT(GR)」や、「ViiK Cell OVS-01CLB(J)Ⅱ」「ViiK Cell OVS-01CL(J)Ⅱ」など、設置環境に合わせた車両検知センサーを展開しています。埋設工事が不要なことで機器設置の工期を約1/3に短縮でき、機器交換コストの削減など、現場の負担と保守コストの低減を支援します。 各製品の検知距離・検知速度・電源条件をまとめた製品カタログや承認図、取扱説明書はWebサイトからダウンロードできます。路面の種類やポール設置スペース、必要な検知動作が固まっている場合は、機種選定のご相談も受け付けています。

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