シャッターセンサーコラム

工場の熱中症対策とは?
高温環境を改善する方法と設備対策を解説

工場の熱中症対策は、単なる水分補給や休憩の徹底に留まらず、搬入口のシートシャッターの無駄開きを抑え、外からの熱気流入を防ぐ設備対策が抜本的な解決に繋がります。労働安全衛生規則の改正を背景に、現場の作業環境を根本から見直す時期にきています。
本記事では、法改正を踏まえた基本対策から、空調ロスを防ぐ具体的な設備改善の方法までを整理します。

目次

工場で熱中症対策が重要な理由

2025年の法改正と、工場特有の熱がこもりやすい環境が対策を急ぐ主な背景となります。

背景の観点

対策の必要性

法的要請

2025年からの労働安全衛生規則改正による管理強化

現場の課題

熱源や建物の構造により熱がこもりやすい

法改正・義務化の動き

2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則(安衛則第612条の2新設)により、事業者はこれまで以上に厳格な熱中症対策を求められています。今回の改正で罰則付きで義務化されたのは、熱中症のおそれがある労働者を早期に発見し重篤化を防止するための「報告体制の整備」「重篤化防止手順の作成」「関係者への周知」の3点です。WBGT値の測定・記録や作業環境の整備は、通達やガイドラインで強く推奨される重要な実務対策ですが、今回の省令改正で直接義務付けられた事項とは区別する必要があります。対策を怠った場合は、労働安全衛生法第119条に基づく刑事罰(6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)のほか、安全配慮義務違反として民事上の損害賠償責任を問われるリスクもあります。法令遵守と従業員の安全確保の観点から、早急な体制整備が欠かせません。

リスクが高まりやすい作業環境

工場全体を漫然と冷却するのではなく、まず熱源や換気不足で熱がこもる場所を特定します。製造ラインの機械が発する熱や、屋根からの輻射熱、搬入口からの外気流入など、工場ごとに暑熱の原因は多岐にわたるのが一般的です。スポットクーラーの導入や換気扇の増設を検討する前に、どこから熱が発生し、どこから侵入しているのかを把握することが対策の第一歩と言えます。

基本的な熱中症対策

運用面でのルール化と、物理的な環境改善の2つの側面から対策を並行して進めます。

対策のアプローチ

具体的な取り組み

ソフト面の対策

定期的な水分補給や休憩時間の確保ルールの徹底

ハード面の対策

遮熱塗料の塗布や空調設備の導入による環境改善

体調管理・休憩・水分補給

従業員の体調管理を徹底するため、作業中の水分・塩分補給と定期的な休憩をルール化します。個人の判断に任せるのではなく、管理者がWBGT値などの指標をもとに休憩時間を指示する体制が望ましいでしょう。しかし、運用ルールだけでは工場内の温度そのものは下がらないため、根本的な解決策としては不十分なケースもあります。

作業環境そのものを改善する視点

ルール化と並行して、屋根への遮熱塗料の塗布や換気設備の増設といった作業環境そのものを改善する対策を実施します。外気温の影響を減らすとともに、室内のこもった空気を排出する仕組みを整えることが基本です。大規模な工場では設備投資に費用がかかりますが、長期的な視点で見れば、生産性の向上や離職率の低下といったリターンが見込めます。

設備面でできる高温対策

設備投資を行う際、空調の強化だけでなく、熱を入れない・逃がさない工夫が効果を左右します。

設備対策の盲点

改善のポイント

空調のみへの依存

冷気が拡散し、エネルギーコストが増大する

開口部の放置

搬入口からの外気流入を防ぎ、空調ロスをなくす

空調・送風だけでは効きにくい理由

工場内に大型エアコンやスポットクーラーを設置しても、建物の密閉性が低いと十分な冷却効果は得られません。冷たい空気は重いため下層に滞留しやすく、一方で外部からの熱風が入り込めば、せっかくの冷気が相殺されてしまいます。空調の稼働率だけを上げても電気代が高騰するばかりで、現場の暑さが解消されないという悪循環に陥ることも珍しくありません。

開口部・搬入口からの熱の出入り

空調効果を高めるためには、頻繁に開閉される搬入口や開口部からの熱気流入を防ぐ対策が重要です。フォークリフトやトラックが行き交う搬入口は、工場の中で最も外気温の影響を受けやすいエリアです。ここを開けっ放しにしていると、莫大な空調ロスが発生する要因となります。シートシャッターなどを活用し、必要な時だけ開ける運用に切り替えることが、工場全体の温度を下げる有効な手段と言えます。

オプテックスの提案:シートシャッターの「認証通行ソリューション」

センサーと無線タグを組み合わせることで、シートシャッターの無駄な開閉を最小限に抑えられます。

機器の役割

空調ロス削減の仕組み

センサーによる検出

車両のみを識別し、人や不要な動きではシャッターを開けない

無線タグによる制限

特定の権限を持つフォークリフトや従業員だけがシャッターを開けられる

シートシャッター開閉用センサー OAM-EXPLORER Jによる検出

シートシャッター開閉用センサー「OAM-EXPLORER J」を導入することで、フォークリフトなどの車両が接近した時だけシャッターを開けられます。従来のセンサーでは、横切る車両にも反応してしまい、不必要な開閉による空調ロスが発生していました。OAM-EXPLORER Jの「横切りキャンセル機能」や「退出キャンセル機能」を活用すれば、無駄な開閉や開放時間を削減し、外気の流入時間を短縮して工場内の空調効率を守ります。

無線タグLINK-BT2で開ける権限を限定

無線タグ「LINK-BT2」を使用すれば、タグを持った特定の車両や担当者だけがシャッターを開けられる環境を構築できます。無線タグによりシャッターの開動作を制限することで、無駄な開閉を軽減することが可能です。開けたい時だけ開ける運用の実現により、搬入口の空調ロスを抑え、作業エリアの環境保全に貢献します。

導入時の注意点

新しい設備を現場に導入する際は、設置のしやすさと業務への影響を事前に確認します。

検討項目

確認すべき内容

設置の条件

既存のシートシャッターに後付けできるか

現場への影響

センサーの精度により作業効率が低下しないか

導入コストと工期を抑えるため、現在稼働しているシートシャッターにセンサーや無線タグを後付けできるかを確認します。シャッターごと交換するとなると、大規模な工事が必要になり予算の増大に直結します。多くの現場では、既存のシャッターを活かしたまま制御用のセンサーだけを追加する方式を採用するケースが多いです。
また、セキュリティや空調効率を優先するあまり、フォークリフトの通行がスムーズに行えなくなると本末転倒です。センサーの検知エリアを適切に設定し、車両がシャッターの前で一時停止する時間を最小限に抑える運用が求められます。
空調ロスの削減と、物流のスピードを両立できる機器の選定が現場の生産性を左右します。

まとめ

工場の熱中症対策は、水分補給などのソフト面だけでなく、搬入口からの熱気流入を防ぐハード面の改善が欠かせません。空調設備を導入しても、建物の密閉性が低ければ十分な冷却効果は得られず、電気代が高騰するだけという悪循環に陥ります。現場の作業を止めずに外気の侵入を防ぐには、シートシャッターの開閉を最適化する仕組みが有効です。しかし、従来のセンサーでは不要な動きにも反応してしまい、抜本的な空調ロスの解決には至らないケースも珍しくありません。
オプテックスでは、シートシャッターの認証通行を実現するソリューションを提供しています。OAM-EXPLORER JやLINK-BT2を活用することで、必要な時だけシャッターを開ける環境を構築し、作業効率を落とすことなく工場内の高温環境改善に貢献します。

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