自動ドア機器 関連コラム
非接触でドアを開ける新しい所作
— てをかざすプレート誕生までの道のり —
本記事では、タッチスイッチが「つい押されてしまう」という課題を起点に、非接触でドアを開ける新しい所作がどのように生まれたのかを解説します。
触れなくてもドアは開く。
てをかざすプレートでドア開閉の所作を変える。
■ 結論
「てをかざすプレート」は、タッチスイッチが“つい押されてしまう”という課題を、利用者の行動に着目した設計と、形状・動作・認知のデザインによって解決するために開発された、非接触ドア操作の新しいスタンダードです。
■ このページで分かること
・なぜタッチスイッチは押され続けてしまうのか
・COVID‑19を契機に非接触ニーズが急増した背景
・“手の甲をかざす”という新しい動作が生まれた理由
・デザイン・技術・利用者行動に基づいた開発プロセス
・オプテックスの若手メンバーを中心に始まった企画の舞台裏
■ 対象となるケース
・店舗や施設で「触れないスイッチ」を探している方
・誤動作が少ない非接触スイッチを知りたい方
・タッチスイッチからの置換を検討しているオーナー・施工会社
・UXデザイン、所作設計、ユーザー行動分析に関心のある方
(読了目安:5分)
「スイッチは押すもの」という思い込み
タッチスイッチの普及により、「スイッチ=押すもの」という認識が広く定着していました。
非接触化の需要が高まるずっと以前から、店舗入口では「誤開放を避けたい」という理由でタッチスイッチが採用されてきました。
しかしCOVID‑19を経て、“スイッチに触れたくない” という利用者側の意識が急速に高まります。
そこで私たちは、タッチスイッチの代替として疑似タッチスイッチ(近赤外線センサーにより、手を近づけることで動作する非接触スイッチです。)を展開しましたが、現地調査で分かったのは意外な事実でした。
■ 利用者の多くが「無意識に押してしまう」
・形状がタッチスイッチとほぼ同じ
・“スイッチ=押すもの”という長年の行動習慣
・手のひらデザインは“押す動作”を想起しやすい
実際に疑似タッチスイッチを押した利用者に話を聞くと、「押すものだと思い込んでいた」「考える前に手が伸びた」といった声が多く聞かれました。
衛生対策のために非接触にしたのに、結局押されてしまう。
これは、形状が変わらない限り根本解決しない大きな課題でした。
COVID‑19が後押しした「触れない所作」への変化
パンデミックをきっかけに、店舗・施設では以下の対策が求められるようになります。
・不特定多数が触れる場所の消毒
・接触機会そのものの削減
・来訪者に安心を感じてもらう衛生環境づくり
社会全体の意識変化により、「ドアスイッチに触りたくない」という利用者の声はこれまでになく大きくなりました。
そこで私たちは、このタイミングこそ“手をかざす”という新しい所作を世の中に提案できるのではないかと考えるようになりました。
新しい動作をデザインする。
— “手の甲をかざす”という提案 —
開発チームが定めたコンセプトは明確でした。
✔ 押す動作から完全に離れる
✔ 誤認されない新しい形状をつくる
✔ 店舗の入口に馴染むシンプルさ
✔ 衛生的な環境づくりに貢献する
✔ スピード重視
デザイン検討にあたっては、「機能を説明する」のではなく、利用者の行動そのものを自然に導くことを重視しました。
見た瞬間に「触れずに、かざせばよい」と伝わることを目指しました。
そのために、図形やピクトグラムを用いた非言語での表現や、従来のタッチスイッチと混同されない形状の再設計を行いました。
これは単なる“非接触ドアスイッチ”の開発ではありません。人の行動そのものをアップデートする取り組み です。
フィールド調査が支えた設計
設計のヒントは、現場にありました。
私たちは街中の店舗や施設へ足を運び、自動ドアのタッチスイッチや非接触スイッチがどのように利用されているのかを繰り返し観察しました。注目したのは、スイッチが押される瞬間だけではありません。
利用者がドアの前に立った瞬間から、どのような一連の行動を無意識に行っているのか を観察したところ、多くの人が表示を読む前に、形状だけで「これは押すものだ」と判断し、自然に手を伸ばしていることが分かりました。
現地調査から得られた主な気付きは、利用者が操作方法を「表示」ではなく「見た目」で判断していることでした。
・タッチスイッチの形状は「押す動作」を誘発する
・新しい動作を促すには、従来品とは異なる形状で認識してもらう必要がある
・多くの人は表示よりも先に見た目で操作方法を判断している
これらの結果から、私たちは“かざす”ことがひと目で伝わる造形 に挑戦しました。また社内でも、従来スイッチに対する印象や操作時の心理について意見を集め、利用者の視点に立って設計・デザインを検討しました。
プロジェクトメンバーの声
■ 開発担当者コメント
「小さな気づきから始まった企画でしたが、形状・動作・デザインのすべてを見直すことで、タッチレスの新しいスタンダードとなる製品に育てることができました。この製品が、衛生的で安心できる店舗づくりの一助になれば幸いです。」
■ 開発責任者コメント
「長年“触れるスイッチ”に起因する課題はありましたが、COVID‑19を背景に、ようやく利用者の意識と時代が重なりました。『新しい所作は受け入れられる』と判断できたのは、この環境があったからです。多くのお客様から反響をいただけたことは、開発者として大きな励みです。」
■ デザイナーコメント
「所作そのものを変えるという難題でしたが、今なら“触れない操作”の意味が正しく伝わる、と感じ挑戦しました。このデザインが多くの人の安心につながることを願っています。」
新しいスタンダードへ
「てをかざすプレート」は、非接触でドアを開けるための新しい選択肢として、触れずにドアを開けられる安心感 と、“押す”という固定観念を壊す新しい所作の提案 から生まれました。
店舗の入口が変われば、利用者の行動が変わり、新しい衛生習慣が日常になります。
オプテックスはこれからも、人の行動と環境に寄り添い、時代に求められる“よりよい所作”をデザインしていきます。
- 本記事でいう「新しい所作」とは、押すのではなく手をかざしてドアを開ける動作を指します。
てをかざすプレート のかたち
行動観察やデザイン検討を重ねて誕生したのが「てをかざすプレート」です。
利用者が説明を読まなくても、直感的に"手をかざす"という行動を選択できるよう、形状や表示方法にも工夫を取り入れました。
言語や文化を問わず操作方法が伝わるよう、表示デザインにも配慮しました。
電話でのお問い合わせ
- フリーコール
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