井戸水の濁度をリアルタイムで監視、異常時は警報を出力

高感度濁度計で飲料品の品質を守り、
浄化設備メンテナンスの負担を軽減

ペットボトルの製造ライン

一見して透明に見える水でも、肉眼では見えない微細な粒子や不純物が含まれていることをご存じですか?
水が透明であるという印象だけでは、水質を正しく判断することはできません。
特に井戸水は、さまざまな要因によって濁ることがあります。
多くの飲料メーカーにとって、井戸水は重要な原料ですが、わずかな濁りが飲料品の製造工程で問題を引き起こす可能性があるのです。

本記事では、井戸水の水質管理における課題と、高感度濁度計の活用による解決策をご紹介します。

井戸水の水質を管理する重要性

井戸水は、ミネラルウォーターだけでなく、コーヒーやジュース、ビールなどあらゆる飲料品の原料として利用されています。
適切な水質管理なくして、消費者に高品質な飲料品を安定的に提供することはできません。
しかし井戸水にはさまざまな要因で「濁り」が発生します。

井戸水

井戸水が濁る主な要因

  • 雨水の混入
    台風や大雨の後、地表の汚れを含んだ雨水が井戸に流れ込むことがある
  • 地震の影響
    地震によって地下の砂や土が井戸水に混ざることがある
  • 土木工事の影響
    井戸の周辺で土木工事が行われた場合、工事による振動や掘削作業が原因で、地下の砂や土が井戸水に混ざることがある
泥水

濁水を取水した時の問題

  • 浄化工程への負担
    不純物や固形物が多いと、フィルターが詰まりやすくなり、頻繁なメンテナンスやフィルター交換が必要となり、コストが増加する
  • 消毒プロセスへの影響
    微生物やウイルスが不純物に付着している場合、消毒が不完全になる可能性がある
井戸水の手分析のイメージ

飲み水レベルのわずかな濁りを逃さず監視する高感度濁度計



オプテックスの高感度濁度計(TC-Mi)は、飲み水レベル※1のわずかな濁りを高精度に測定※2でき、井戸水の濁度をリアルタイムで監視できます。

高感度濁度計(90度散乱光方式) TC-Mi

活用シーン

1.取水監視

井戸水を取水する際に、高感度濁度計があらかじめ設定した濁度レベルを超えたことを検知すると、即座に警報信号※3を制御盤に出力し、取水ポンプを停止できます。
これにより、ろ過器のフィルター詰まりや浄化効率の低下を防ぎ、結果としてメンテナンスやフィルター交換の頻度を減らすことが可能になります。

井戸水の取水監視イメージ図

2.ろ材・フィルターのメンテナンス監視

ろ過器を長期間使用すると、ろ材やフィルターが劣化し、目詰まりを起こすことがあります。これにより、浄水能力が低下します。
高感度濁度計を用いて、ろ過器を通した水の濁度を連続測定することで、濁度の上昇傾向を把握し、ろ材やフィルターのメンテナンス時期を適切に管理することができます。

ろ材・フィルターのメンテナンス監視イメージ図

3.膜破断監視

膜ろ過装置で浄水したにもかかわらず、設定した濁度レベルを超えた場合、膜の破断や他の異常が考えられます。
この場合、高感度濁度計が制御盤に警報を出力し、後工程への送水を自動的に停止します。

膜ろ過装置の膜破断監視イメージ図

※1. 飲み水レベル

日本では水道の蛇口をひねるだけで安全な水が飲めます。これは水道法による水質基準に基づいて管理されているからです。
水質基準には、健康や安全性、味、匂いなどの観点から51項目があり、その一つが濁りの度合いを示す「濁度」です。
水質基準における濁度は2度以下と定められています。

濁度の詳細はこちら
よくあるご質問 濁度

濁度イメージ写真
濁度イメージ(ホルマジン度)
写真はあくまで参照用です。
見え方は背景・光の当たり方などによって変わります。
※2. 高感度濁度計の測定原理・・・90度散乱光方式

オプテックスの高感度濁度計は、90度散乱光方式を採用しています。
散乱光方式とは、光源から照射された光(測定光)が、測定水中に浮遊している懸濁物質の表面で反射され、その反射した光(散乱光)を測定光の光軸から90度の位置にある受光素子で受光します。
その散乱光の強さと水中の懸濁物質の濃度との関係から濁度を測定する方法です。
90度散乱光測定方式は原理上、懸濁物質のみの濃度を測定するので、濁度を高精度に測定できます。

高感度濁度計の測定原理・・・90度散乱光方式の説明図
※3. 警報レベルと警報タイマ

測定値が警報タイマで設定された時間以上継続して警報レベルを超えたとき、警報出力が作動します。

高感度濁度計(90度散乱光方式) TC-Miの警報レベルと警報タイマの説明図

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