河川、ため池氾濫時の迅速な対応にむけて

リアルタイムに河川状況を発信する、河川監視システムの画像良化対策

水位が増す河川

近年、地球温暖化に伴う気候変動により、水害(洪水、内水、高潮)、土砂災害、渇水被害の頻発化、激甚化が懸念されています。
この水害において大きな課題となったのが、河川水位、雨量の状況やリアルタイムの河川画像など多くの情報をオープンに発信し、避難勧告が出る前に住民自らがリスクを察知し、主体的に避難行動の判断ができる情報共有のあり方が挙げられました。また、農業用水確保のため造成された、全国20万カ所以上にのぼるため池においても、集中豪雨による急激な水位上昇から周辺や下流への被害を防止するための管理措置も課題となっています。

これらの危機に備えるべく、水位や流量の状況をカメラ映像でリアルタイムに確認し、災害時の住民の自主的な初動対応を迅速化するための河川監視システムの導入が全国で加速しています。

国土交通省 河川管理の高度化に向けた取り組み
—革新的河川技術プロジェクトについて—

厳しい条件が求められる、
河川監視カメラシステム

カメラを活用した河川監視システムは、夜間においても映像の視認性確保を図るため、LED照明(投光器)を設置し、カメラ映像のパフォーマンスを高めることが重要です。

中でも、照明には次の条件が求められています。

<求められる条件>

  1. 夜間や薄暗い環境に合わせて照明の電源をON/OFFを制御できる
    照度センサーの内蔵 もしくは、外部入力による操作ができること。

  2. 電源が確保できない場所でもソーラーバッテリーで稼働できる低消費電力型であること。

  3. さまざまな地形や設置条件でも、鮮明な監視カメラ映像を提供するため
    明るさや配光が可能な投光器の選定ができること。

設置例:国内某河川監視カメラシステム例

河川監視カメラに不可欠な照明機器

街灯が設置されている街中では夜間でも明るい環境が確保できるため、投光器を組み合わせず監視カメラ単体でも鮮明な映像を取得できます。
それに比べ、防災用途の監視カメラは、河川やため池など周囲に明かりが少ない場所に設置されるケースが多く、悪天候による厳しい環境下で最大限の視認性の確保が求められます。

  • 理由1.夜間は雨が降る確率が高い = 河川の氾濫につながりやすい

    一般的に、夜は気温が下がり空気中に含むことができる飽和水蒸気量が日中に比べ小さくなり、水蒸気が水(雨)へ変わりやすくなるといわれています。
    さらに、河川ができるような地形の場合、山脈や風向きなど雨が降りやすい地理条件が整っています。
    防災という目的上、通常の天候だけではなく台風や暴風雨など、劣悪な環境下でこそ視認性の高い明るい画像が必要です。


  • 理由2.月明りに頼れるのは、たった8~10日(月平均)のみ

    曇りや雨などの天候の乱れがなく、夜間月が出るのはたった平均8~10日/月と、約1/3だけです。(※)
    そのため、一月の2/3の夜間は月明りのない暗闇で監視カメラを稼働することになります。
    ※月齢から算出



    この2つの理由から、夜間の曇りや暴風、防雨などの悪天候時は、監視カメラだけでは不十分な状態が生じてしまいます。

劣悪な環境でもパフォーマンスを落とさない、監視カメラ補助投光器

オプテックスの監視カメラ補助用投光器は、監視カメラに適した独自の配光技術を搭載することで、悪天候の夜間でも鮮明に映像を撮影できるとともに、撮影するカメラの角度や時間によって異なる見え方を均一化させ、取得画像の良化を行います。

監視カメラのみの場合
長野県某支流河川 撮影地点A
かろうじて河川の位置はわかるが、水位や水量の変化を判別することができない。
監視カメラ補助投光器を点灯した場合
長野県某支流河川 撮影地点A
水位計をクリアに視認することができ、周囲環境もどのような状況か把握することができる。
・設置機器: VAR2-w2-1(白色可視光)1台
・配光角度レンズ: 35×10°
監視カメラのみの場合
長野県某支流河川 撮影地点B
月明りが照らされない天候の場合、全くなにも視認することができない。
監視カメラ補助投光器を点灯した場合
長野県某支流河川 撮影地点B
投光器の均一な配光により、カメラ画面の隅々まで視認でき、水位や水量の変化がわかる。
・設置機器: VAR2-w2-1(白色可視光)1台
・配光角度レンズ: 35×10°

投光器本体は強い風雨にさらされたり過酷な環境でも耐えられるように設計されています。
また、投光できる距離は最長500m、離れた場所の映像も取得することができます。

投光器は、IR(赤外光)と白色光、配光の角度調整レンズなどの変更により、設置環境に最適な配光を構築することができるため、設置後の録画映像の画像精度を向上させます。

河川監視カメラシステムは、今後導入が加速していきます。

投光器の設置により、鮮明なカメラ画像による水位や流量、河川の状況を発信し、災害発生時にいち早く異変に気付けることで河川水害の被害を少しでも減らせるよう、貢献していきたいと考えています。

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