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浸水対策の基本:台風・豪雨に備える止水板の活用法

出入口からの浸水を防ぐ、現場で使える対策をご紹介

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近年、台風や集中豪雨による浸水被害が全国各地で深刻化しています。
特に建物の出入口は雨水が侵入しやすく、店舗や施設の営業や運営に支障をきたす恐れがあります。

この記事では、浸水リスクへの具体的な対策を整理し、現場で実践しやすい方法のひとつとして「止水板(脱着型)」をご紹介します。
読了目安:約3分

都市部で増える集中豪雨と浸水リスク

気候変動やヒートアイランド現象の影響により、全国各地で激しい雨が頻繁に降るようになっており、特に都市部では排水能力を超えるケースも見られます。
こうした局地的かつ短時間の猛烈な雨は「集中豪雨」と呼ばれ、排水能力を超えることで、内水氾濫や外水氾濫などの浸水被害が発生します。

浸水によって起こる問題とは?

建物内に水が入り込むと、次のような問題が発生します:

・店舗や施設の営業停止
・電気設備や什器の故障
・清掃や復旧にかかる時間とコスト
・来訪者や従業員の安全確保への不安

特に出入口は構造上、浸水しやすく、被害が広がりやすい箇所です。

浸水対策にはどんな方法がある?

止水対策には、従来の方法から最新設備まで多様な選択肢があります。以下は代表的な対策の比較です:

種類

特長

メリット

デメリット

土のう

袋に土を詰めて積む

安価・入手しやすい

重くて準備が大変・保管場所が必要

水のう

水を入れて膨らませる袋

軽量・保管しやすい

水の確保が必要・破損リスクあり

角落とし式

溝に板を落とし込む構造

高い止水性

溝の設置が必要・後付け困難

スイング式

扉のように開閉する板

操作が簡単

工事が必要・外観に影響する場合あり

スライド式

横にスライドして閉じる板

スペース効率が良い

レール設置が必要・後付け困難

シート方式

防水シートを広げて止水

軽量・柔軟に対応可能

耐久性に劣る・設置に慣れが必要

防水扉

防水性能を持つ専用扉

高い止水性

高価・工事が必要

起伏式

地面からせり上がる構造

自動化可能・美観を損ねない

高コスト・複雑な工事が必要

止水板

(脱着型タイプ)
必要なときだけ設置

工事不要・後付け可能・美観維持

都度設置の手間あり

中でも、近年注目されているのが「止水板」です。

なぜ、今、止水板が注目されているのか?

令和元年の東日本台風(台風19号)では、首都圏の高層マンションに設置されていた受変電設備が大雨による内水氾濫で冠水し、停電が発生しました。これにより、エレベーターや給水設備などのライフラインが一定期間使えなくなるという深刻な被害が起きました。

こうした浸水被害を受けて、国土交通省と経済産業省は「建築物における電気設備の浸水対策のあり方に関する検討会」を設置し、対策の方向性を検討。その結果を踏まえ、両省は2025年6月に「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」(※) をとりまとめ、関連業界団体などに向けて積極的な周知を行っています。

このガイドラインでは、電気設備を浸水リスクの低い場所(例:上階)に設置することに加え、建物自体への浸水を防ぐ対策も重要とされています。具体的には、建物の外周に「水防ライン」を設定し、そのライン上にある出入口や開口部などの浸水経路に対して、止水板や防水扉、土のうなどを組み合わせた一体的な対策を講じることが推奨されています。

こうした背景から、建物の浸水リスクを減らすための現実的な手段として「止水板」が改めて注目されているのです。新築だけでなく、既存建築物の改修時にも活用できることから、導入の機会が広がっています。

止水板とは?建物を守る浸水対策の基本

止水板は、防水性のある板状の製品で、建物の出入口に設置することで浸水を防ぎます。大雨や災害時の浸水被害を軽減する手段として、多くの施設で活用されている浸水対策のひとつです。
止水板には、常時設置する「常設型」と、必要なときだけ設置できる「脱着型」があります。
なかでも脱着型は、必要なときにだけ設置できる可搬式の製品で、工具や工事を必要とせず(※)、短期間・低コストで導入できます。
こうした特長により、既存施設への後付けや、一時的な浸水対策としても活用しやすく、工場や商業施設、公共施設など、さまざまな現場で導入が進んでいます。

止水板 浸水対策 脱着型
  • 設置条件によっては、簡易的な工事やオプション部材の使用が必要となる場合があります

脱着型(可搬式)止水板が選ばれる理由

  • 基本的に工事不要で後付け可能:設置条件によっては簡易工事が必要になることもあるが、既存の建物にも対応しやすく、導入のハードルが低い
  • 美観を損ねない設計:使用しないときは収納でき、建物の外観に影響を与えない
  • 軽量で扱いやすい:一人でも設置・撤去が可能で、管理の負担が少ない
  • 短時間で設置可能:事前準備がほとんど不要で、いざという時にもスピーディに設置できる

災害対策は「何も起きていない今」から

台風や豪雨は予測が難しく、突然発生することもあります。
被害が起きてからでは対応が遅れ、営業停止や修繕費用など、さまざまな負担が発生してしまいます。

だからこそ、「何も起きていない今」のうちに備えておくことが重要です。
脱着型(可搬式)止水板は、普段は収納しておき、台風や大雨の予報が出たときにだけ取り出して設置できます。
この「必要なときだけ使える」という柔軟性が、導入のしやすさを高めています。

製品の詳細・動画はこちら

止水板の設置方法や使用イメージを動画でご紹介しています。
対策の一例として、ぜひご参考ください。

※クリックするとYouTubeのタキロンシーアイ社【公式】にある動画が再生されます

よくある質問(FAQ)

浸水対策は本当に必要ですか?

はい。全国各地で浸水リスクが高まっており、対策の重要性が増しています。
近年の気候変動により、集中豪雨や台風による浸水被害が頻発しています。国土交通省・経済産業省が公表した「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」では、浸水リスクの低い場所への設備設置や、水防ラインの設定、止水板などの対策を含む複数の手段が示されており、特に既存建築物では後付け可能な対策の導入が推奨されています。

どんな場所に浸水対策が必要ですか?

地下施設、店舗の出入口、マンションのエントランス、工場や倉庫などが代表的です。
特に電気設備がある場所や人の出入りが多い場所は、浸水による被害が大きくなる可能性があります。

浸水対策にはどんな方法がありますか?

土のう、水のう、角落し式、スイング式、スライド式、脱着式、防水扉、シート方式などがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、設置場所や頻度、コストに応じて選定することが重要です。

止水板を設置するには工事が必要ですか?

製品によって異なりますが、簡易工事で済むタイプもあります。
既存の建物に後付けできる製品も多く、短期間・低コストで導入可能です。設置条件に応じてオプション部材の活用も検討されます。

止水板は、一度設置すれば、ずっと使えますか?

定期的な点検とメンテナンスが必要です。
パッキンの劣化や設置面の状態によって止水性能が変わるため、定期的な清掃・保管・部品交換が推奨されています。

お問い合わせ・資料請求は下記フォームから

「詳しい資料がほしい」「見積もりを相談したい」「どのサイズが合うか知りたい」など、ご不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
担当営業より、用途に応じたご提案をさせていただきます。

まとめ

  • 集中豪雨や台風による浸水被害は年々深刻化している
  • 建物の出入口は特にリスクが高く、対策が求められている
  • 止水対策にはさまざまな種類があるが、脱着式は導入しやすく実用的
  • 国のガイドラインでも、既存建築物への止水板設置が推奨されている
  • 今こそ、「早めの備え」を。

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