畜産業の環境問題

スマート畜産で水質汚染を監視

畜産業

「畜産業における環境面での課題は?」と言われて、ピンとくる人は少ないのではないでしょうか。
日本の畜産業には人手不足や高齢化といった構造的な問題に加えて環境面、特に水質汚染に関する課題があります。
こうした課題を解決するためにスマート畜産の導入が注目されています。

畜産業における水質汚染リスク

家畜の糞尿や食べ残した飼料を清掃するために使われた水は、大量の窒素やリン、微生物などの汚染物質を含んでいます。これらの汚染物質が、不十分な処理や浄化がされないまま放出されると、地下水や河川の水質を汚染する恐れがあります。

また近年では、豚コレラなどの伝染病の発生により、消毒のために薬剤が使用されることが増えています。これらの薬剤による水質汚染も問題となっています。

畜産に関する排水基準

このような水質汚染を発生させないために、一定以上の規模の畜産農家※1は公共用水域※2へ排水する場合、「水質汚濁防止法」に基づき排水基準値をクリアする必要があります。
畜産農家が注意すべき排水基準の水質項目は次のように定められています。

  • 健康項目(全ての特定事業場が対象)
    アンモニア
    アンモニウム化合物
    亜硝酸化合物及び硝酸化合物(硝酸性窒素等)など
  • 生活環境項目(1日当たりの平均的な排出水の量が50立方メートル以上の特定事業場が対象)
    生物化学的酸素要求量(BOD)又は化学的酸素要求量(COD)
    浮遊物質量(SS)
    大腸菌群数
    窒素含有量
    りん含有量 など

なお、都道府県の上乗せ条例によって、適用対象の拡大や上乗せ排水基準が設けられていることもあります。


※1 対象となる畜産農家は、次のいずれかに該当するような施設(水質汚濁防止法では「特定施設」と定義)を有する事業場(同法では「特定事業場」と定義)が対象
   ・総面積50平方メートル以上の豚房
   ・総面積200平方メートル以上の牛房
   ・総面積500平方メートル以上の馬房

※2 河川、湖沼、港湾、沿岸海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路

不十分な水質測定回数に潜むリスク

平成23(2011)年4月1日以降、水質汚濁防止法に基づく特定施設の届出書に記載されている排出水の水質項目について、1年に1回以上の測定と記録及び3年間の保存が義務付けられています。
しかし畜産現場で使用した水は日々排水されるため、1年に1回程度の測定では十分といえません。
次回測定するまでの間に汚染水流出事故を起こすと、周辺地域に環境汚染が広がり、ひとたび健康被害が発生すれば、畜産農家の信頼低下や賠償問題は避けられないためです。
このような問題を未然に防ぐには、排水される水質を常時監視するのが望ましいと言えるでしょう。
しかし、水質測定の回数を増やすことは、人手不足の畜産農家にとって大きな負担となります。

スマート畜産で水質を常時監視、異常時はメールに通報

オプテックスは、連続測定できるさまざまな水質センサーをラインアップし、測定したデータをパソコンやスマートフォンで、いつでも、どこでも確認できるWATER it データマネジメントサービスを提供しています。
WATER it データマネジメントサービスは、畜産現場で排水された水質を人手をかけずに常時監視することができ、測定したデータはクラウドに保管することができます。
排水された水質に異常が発生した時は迅速に対処することができ、汚染水流出事故の防止策として有効です。

水質センサーとIoT技術を組み合わせたスマート畜産のイメージ

POINT 1

あらかじめ設定した上限値もしくは下限値に水質が達したらメールで通知できます。
これにより、水質の変化を素早く把握し、必要に応じた対処ができます。

POINT 2

測定データはクラウド上に保存されますので、記録の手間や保存忘れや紛失の心配もありません。

POINT 3

収集したデータをグラフで可視化でき、水質変化の傾向を把握できます。
CSVデータでダウンロードができるので、過去のデータと比較するなど、さまざまな視点で分析することができます。


WATER it Navi へのリンクバナー
WATER it データマネジメントサービスのお問い合わせフォームへのリンクバナー

関連情報

製品・サービスに関するお問い合わせ

フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。

恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。


電話でのお問い合わせ

本社(滋賀)
077-579-8680